Piezo Sonic の超音波モータ
回転エネルギーの生成にコイルや磁石を利用せず、電圧を加えると変形する圧電セラミックを利用しています。
圧電セラミックの変形量をステータと呼ばれる金属部位で増幅し、その変形をコントロールすることでステータ表面で回転運動を生み出します。
この回転運動はステータに押しつけているロータに摩擦力によって伝達され、ロータが回転します。シャフトはこのロータに固定されていて、モータのトルク、回転を外部に伝えます。
この摩擦力は常時発生しているため、非通電・非制御でも位置を保つことができ(高保持力)、バックラッシュのないダイレクトドライブを実現することができます。
従来の超音波モータは同サイズの電磁力で回転するモータ(DCモータ等)と比べて高トルクですが、寿命が1/10程度と短いことが課題となっていました。
Piezo Sonic製 超音波モータ:ピエゾソニック モータは構造と素材を見直すことにより、同サイズの従来の超音波モータと比べ2倍以上の長寿命化に成功しました。
また、大幅な高トルク化もあわせて実現しています。 (特許取得済、2018年精密工学会「ものづくり賞」受賞・2019年「グッドデザイン賞」受賞 )
開発した新型超音波モータ PSM60シリーズ


仕様
- トルク:1.2Nm
- 非通電時の保持トルク:1.2Nm (バックラッシュなし)
- 最高回転数:180rpm
- サイズ:66mm× 66mm × 26mm
- 重量:250g
- 非磁性
- 静音性:高
- 高い位置制御性:0.025度以下
超音波モータの特徴

同サイズの超音波モータ、DCモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータのトルクと回転数の関係にフォーカスした領域図です。
超音波モータは他のモータに比べ、低速・高トルクという特徴を持ちます。
摩擦力により非制御時でも高保持力を維持でき、バックラッシュもないため、ギアを使わないダイレクトドライブのアクチュエータシステムを構築することが可能です。

同サイズの超音波モータ、DCモータ、ブラシレスモータ、ステッピングモータの位置制御性と重量(軽量)の関係にフォーカスした領域図です。
超音波モータは他のモータに比べ、軽量で高い位置制御性を持つという特徴を持ちます。
回転部の重量が軽いためイナーシャが小さく、駆動信号が停止すると瞬時に摩擦力により静止するため、精密な位置決めが可能です。(最終的な位置決め精度は外部のセンサ:エンコーダやポテンショメータと制御コントローラに依存します)
アクチュエータとしてのメリット
- その1 ・・・ 低速・高トルク
- その2 ・・・ 無通電時に高保力
- その3 ・・・ 高応答性・高制御性
- その4 ・・・ 小型・軽量
- その5 ・・・ 動作音が静粛
- その6 ・・・ 中空構造が可能
- その7 ・・・ 非磁性対応


駆動原理

回転のメカニズム
- 圧電セラミックに電圧(Sin波、Cos波)を印可
- 圧電セラミック自身が伸縮(電歪)
- ステータが彎曲(表面上に進行波が発生)
- 進行波の頂点でロータとステータが接触
- 接触点の楕円運動と摩擦力によりロータが回転
超音波モータに適した利用方法
期待されている分野
- 医療機器 MRI 内での搬送用モータ
- 微細位置制御が必要なロボットアーム
- 強放射線環境用モータ
- 真空環境用モータ(宇宙環境等)


